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基礎編1. 熱伝導1.2 径方向熱伝導

このトレーニングで学ぶこと

今回は円筒形状の固体中を熱が流れるときを取り上げます。
 径が変化したり、物性が途中で変化すると、温度はどのように変化するのかを考えてみましょう。

目的:熱が円筒中を内面から外面に向けて流れるときの熱の伝わり方の違いを体験する。

問題1初級
長さ L=100mm のアクリル製の同心円筒(a)(b)があります。 円筒の外面と内面の直径、円筒の厚さ(=外径と内径の差/2)はそれぞれ異なっていますが、外径と内径の比は同じ3倍になっています。
 この円筒の外面を0℃に保った状態で、内面から10Wの熱を流入させたとき、内面の温度はどちらの円筒が高い?
※円筒の両端面は断熱の条件を仮定します。

円筒では外径と内径の比が大きいほど
径方向の温度差は大きくなる

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答1
内面の温度は両者とも同じになります。

FlowDesignerで検証

円筒では外径と内径の比が同じであれば、径方向の温度差は同じになります。

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問題2中級
長さ L=100mm のアクリル製の同心円筒(a)(b)があります。 円筒の外面と内面の直径、円筒の厚さはそれぞれ異なっていますが、外径と内径の比は同じ3倍になっています。
 この円筒の外面を0℃に保った状態で、内面から10Wの熱を流入させたとき、それぞれの円筒の内面温度は何℃?
※円筒の両端は断熱の条件を仮定します。

解答を見る
答2
(a)も(b)も 88℃になります。
円筒の内面温度は理論式より求めることができますが、
FlowDesignerで検証してみましょう。

FlowDesignerで検証

円筒の径方向に熱が流れるとき、熱流の通過断面積は一定ではなく、次第に大きくなります。 そのため径方向の温度差は外径と内径の比の自然対数に比例します。

温度を手計算で求めるのは難しいですが、外径と内径の比が大きいほど温度差は大きくなる (あるいは、熱抵抗は大きくなる)と覚えておくと便利です。円筒の厚さには比例しないことに注意する必要があります。

要点
円筒では外径と内径の比が同じなら径方向の温度差も同じになります。


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問題3初級
長さ L=100mm のアクリルとアルミニウムからなる二重同心円筒(a)(b)があります。 円筒の外面と内面の直径、円筒厚さは同じですが、アクリルとアルミニウムの配置が逆になっています。
 この円筒の内面を80℃、外面を0℃に保った場合、どちらの円筒からの流出熱流が小さい? (どちらの方が断熱効果が高い?)
※円筒の両端面は断熱の条件を仮定します。

熱の流れにくさは外面と内面の
直径の比に比例する

解答を見る
答3
(a)の方が(b)よりも流出熱流は小さくなります。
すなわち(a)の方が断熱効果は高いことになります。

FlowDesignerで検証

アクリルはアルミニウムよりも熱伝導率が約1/1000小さいので、熱流はアクリル円筒の形状に左右されます。 同じアクリル円筒では外径と内径の比が大きい(a)の方が熱が流れにくくなります。


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問題4中級
長さ L=100mm のアクリルとアルミニウムからなる二重同心円筒(a)(b)があります。 円筒の外面と内面の直径、円筒厚さは同じですが、アクリルとアルミニウムの配置が逆になっています。
 この円筒の内面を80℃、外面を0℃に保った場合、それぞれの二重円筒からの流出熱流は何W?
※円筒の両端面は断熱の条件を仮定します。
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答4
(a)は14.6W、(b)は25.0Wとなります。
二重円筒からの流出熱流は理論式より求めることができますが、
FlowDesignerで検証してみましょう。

FlowDesignerで検証

熱流は熱流束に伝熱面積を掛けることで算出できます。


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