ホーム > 事例紹介 > 換気設計の見える化による「新しい時代」の建築設計
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、多くの人々の生活や経済に影響を与えています。
その感染拡大を抑えるためにはいくつもの対策がありますが、そのひとつとして、人の居場所が密閉されないように「屋内空間の十分な換気」をすることが効果的であるとされています。
気流シミュレーションソフトであるFlowDesignerを活用し、建築設計における換気の様子を「見える化」することで、より効率的な換気・空調の仕組みを設計に盛り込むことができ、 人々の健康や組織の安全を守ることにつながると考えています。
私共アドバンスドナレッジ研究所ができることとして、ユーザー様がFlowDesignerを様々な形で活用されてできた換気設計のアプローチや、FlowDesignerのよりわかりやすい解析手法などをご紹介します。
アプローチ1 「室内換気の解析事例」(東京理科大学/倉渕先生)
東京理科大学 倉渕先生の教室では、授業にFlowDesignerをご活用頂いています。
この授業では室内の空気の流れを見える化して、換気効率の意味をより分かりやすく解説されています!
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アプローチ2 「新型コロナウイルス感染拡大の抑制等の最新学術動向」(SABED)
アプローチ3 「特別オンラインセミナー」(SABED×AKL)
社会全体で「換気」や「目には見えない空気の流れ」に大きな注目を集めている中、基準値をクリアするだけではなく、さらに人々が安心して生活するための設計検討が求められてきています。
本アプローチでは、数値だけではなくシミュレーションを活用することで3次元的に分布を『見える化』し、換気検討/省エネ検討を行った事例を、設計者の目線でわかりやすくお伝えします。
- @飲食店舗編
客席側における必要換気量は一人当たり20m3/h。
では、とある飲食店舗において給排気口の位置や換気量を変えると、室内環境はどのように変化するのでしょうか。 店舗構造をシンプルにモデル化し解析を行っている点や、空気齢などのシミュレーション結果をどのように換気計画に反映させるかという点にもぜひご注目ください!
講師:東京大学 谷口景一朗先生
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"第三種換気"と"熱交換換気"で差があるのだろうか?
(感染症対策とは異なりますが)高気密・高断熱の住宅における温度管理や消費エネルギーについて検討した事例を紹介しています!
なお、今回は外部連携機能を用いて熱交換換気の吸込温度と設定風量の関係から、吹出温度を各計算毎に算出・反映しながら解析を行ったとお伺いしております。
講師:東京理科大学 高瀬幸造先生
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アプローチ4 「空気質の分布を見える化した事例」(成功大学/蔡先生)
よりよい環境設計を行うため、室内の「空気質」を考慮した検討にFlowDesignerをご活用いただきました。
ここでは、プレハブ式病院(隔離病室)における換気口の配置検討を行った事例を紹介します。
汚染物質が除去できているかの評価には、室内の換気状態を表す指標「SVE6(空気余命)」を用いており、下記画像のように「空気質」を考慮した検討がされています。
※画像は、病院内におけるガスのSVE6解析
寝ている患者の周辺において、SVE6の値が小さく空気が外部に排出されやすいことがわかるため、効率的に汚染物質を除去できることが期待されます。
このように、シミュレーションソフトの使用により、換気回数だけでなく、室内の「空気質」を考慮したよりよい環境設計の検討が可能となります。
今回の検証においても、空気質の検討ではSVE6を用いたシミュレーションが有用だったと、大変ご好評いただきました。
※下記リンクでは、患者の咳に伴う飛沫が室内に拡がる様子をシミュレーションした事例動画も公開されていますので、ぜひ一度ご覧ください。
▽成功大学 QurE:Air Flow Analysis
アプローチ5 「室内にてウイルスの拡散防止策を検討した事例」(東京理科大学/倉渕先生)
密閉空間となるカラオケルームでクラスター(集団感染)が発生した報告を受け「ウイルスが発生した室内の状況は、どのようになっているのか?」「どのような対策ができるのか?」FlowDesignerを用いたシミュレーションが、
NHK『おはよう日本』、日本テレビ『情報ライブ ミヤネ屋』、フジテレビ『とくダネ!』にて放映されました。
左側の給気口から新鮮な空気が流入し、右側の排気口から排出される構造となっている室内で、FlowDesignerを用いてウィルス発生源付近からの空気の流れ、拡がりを見える化しています。
解析結果から「歌う場所」によってウイルスを含む飛沫の拡がりに違いがあることが分かります。
給気口付近で歌った場合、ウィルス発生源からの飛沫は室内全体に拡がってしまいます。しかし、歌う人が排気口の下に移動することで、ウイルス発生源付近の空気は室外に排出されやすくなり、ウイルスの拡散を抑えられることが期待できるとわかりました。
このように、FlowDesignerで空気の流れを見える化すると共に、歌う場所の違いによる飛沫の拡がりを見える化することで、相対的な比較検討にもご活用いただけます。
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アプローチ6 「通風による換気・涼房を検討した事例」(住宅技術評論家/南雄三様)
新型コロナ禍で夏を迎えようとしている今、エアコンに不安が生じ、その代案として通風が注目される一方で、通風は不快だという話もあります。そこで冷房×通風、通風をトレーニングするという意味について“南雄三にQuestion”。
著書「通風トレーニング(建築技術)」から、快適な環境設計を行うための通風計画について紹介いただきました。
▽書籍紹介ページはこちら
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アプローチ7 「FlowDesigner換気モデル化セミナー」(AKL)
換気回数が確保されていれば、本当に室内の空気質・換気状況は問題ないか。もちろん換気回数は評価軸として重要な指標ではありますが、
実はまだ問題点がある可能性も否定はできません。
室内に流入した新鮮空気がそのまま排出されてしまったり、一部空気が滞留して淀む箇所が発生したり。
室内の分布を考慮した換気検討をすることで、よりよい環境設計ができる可能性があります。
シミュレーションソフトを使用すれば、
室内の換気をわかりやすく見える化できるだけではなく、排気口の位置、空調機の位置など様々なケーススタディが素早くできます。
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